まえおき ~ パソコンが熱暴走? ~

家電製品を含む電子機器は、放熱対策が重要な設計課題の1つとなっています。

保証温度を超えてしまうと…
 → 回路の誤動作を引き起こし、動作が不安定に。
 → はんだクラックが発生するなど故障率が高まり、部品や製品そのものの寿命が短くなる。

電子機器内部の温度に影響をおよぼす制限事項は厳しくなっています。
・静音要求の高まりによるファン風量の低減化(ファンレス化)
・信号遅延を防ぐため配線長が短くなったことによる実装の高密度化
・粉塵対策による筐体の密閉化
・EMI(Electro-Magnetic Interference:電磁波障害)対策による密閉化 

熱問題へ対策はどう検討すればよいのでしょう?

本題に入る前に、「熱」についておさらいしておきましょう。

熱って何?

熱と温度の違い

日常ではあまり区別せずに使う熱と温度ですが、科学用語としての意味は異なります。

温かい⇔冷たいという感覚を数値で表すとき、温度という量を用います。
物体の温度は、の出入りによって変化します。
物体間で力学的仕事を通じて移動する以外のエネルギーの移動形態を熱といいます。

温度の高いものと低いものが接触するとき、熱エネルギーは温度の高い方から低い方へと移動します。この時の移動するエネルギーの量は熱量と呼ばれ、SI単位系ではJ(ジュール)で表されます。

熱の3兄弟

熱の移動=伝熱には3つの形態があります。
① 熱伝導:固体と固体間、固体内部、静止した流体内部を、温度の高いところから低い① 熱伝導:固体と固体間、固体内部、静止した流体内部を、温度の高いところから低いところへ熱が移動する現象を熱伝導といい、物質中の分子の運動により起こります。温度差が大きいほど熱の移動速度は早まります。

② 対流熱伝達:流体(気体・液体)の流動によって、固体表面とこれに接する流体との間の熱が移動することを熱伝達といいます。
熱伝達は表面間で熱が移動するため、接触面積を大きくすることで熱の移動速度が上がります。

③ 熱放射:熱を電磁波として放射することによって伝達される現象を熱放射(熱輻射)と呼びます。